ワインブラインドノート
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ブラインドテイスティングの始め方|自宅で1杯から練習する手順

初めてのブラインドテイスティングに必要なもの、色調・香り・味わいの観察、予想と答え合わせの残し方を解説。自宅で1杯から試せる記録例を紹介します。

ラベルを布で隠したボトルと、赤ワインを少量注いだグラス、ノート
この記事でわかること
  1. ラベルを隠すと、何が変わる?
  2. 用意するのは、グラスと白い紙とノート
  3. 色調、香り、味わいの順に観察する
  4. 予想には、理由と自信の程度を添える
  5. 答えを知っても、最初のメモは消さない
  6. 次の一杯では、ひとつだけ確かめる

ブラインドテイスティングを始めるなら、最初の目標は「名前を見る前の感想を、ひとつ残す」で十分です。品種が当たったかどうかに加えて、何を手がかりに考えたのかを書いておく。そうすると、外れた一杯も次の練習に使えます。

この記事では、自宅でワインを楽しむ人に向けて、1杯を観察し、予想し、答えを確かめる手順を紹介します。ワインの知識を全部覚えてから始める必要はありません。今わかることと、まだわからないことを分けて書いてみましょう。

ラベルを隠すと、何が変わる?

ブラインドテイスティングは、銘柄や産地などの情報を伏せてワインを観察する方法です。有名な生産者だからおいしいはず、好きな品種だからこの香りがするはず。そんな予想から少し離れて、目の前のグラスに集中する時間を作れます。

誰かに注いでもらえるなら、ボトルを見ない状態で用意してもらいます。一人で練習するときは、すでに知っている情報をノートの端に書いておくとよいでしょう。「自分で選んだので品種は知っている」と残せば、完全なブラインドで飲んだ記録と混同せずに済みます。

名前を知っている一杯でも、裏ラベルや販売店の説明を読み返す前に観察する練習はできます。隠し方を完璧にするために準備が面倒になるより、何を知った状態で飲んだかを明確にする方が続けやすくなります。

用意するのは、グラスと白い紙とノート

必要なのは、ワイン、透明なグラス、水、白い紙、記録するものです。ボトルを隠すなら無地の袋や布も用意します。まずは手持ちの道具で構いません。香りの強い料理や芳香剤から離れ、グラスに洗剤の香りが残っていないかも確かめます。

ワインはグラスの中で軽く回せる程度の少量を注ぎます。大きく回す必要はなく、慣れないうちはテーブルに置いたまま動かすと扱いやすくなります。少量を注ぎ、回す前後で香りを比べる方法は、WSETのテイスティング解説でも紹介されています。

最初は1杯だけにして、記録用紙に「色調・香り・味わい・総合」の見出しを書いておきます。さらに、注いだ直後か、しばらく置いてからかを一言添える欄を作ると、あとから感じ方の違いを振り返る助けになります。

無地の布でワインボトルのラベルを隠す手元
ラベルの情報を伏せて、まず自分の感覚を書き留める。写真は練習手順のイメージです。

色調、香り、味わいの順に観察する

色調は、白い背景で見る

白い紙を背景に、グラスを少し傾けて色を見ます。白ならレモン色に近いか、黄色が深いか。赤なら紫がかっているか、赤みが中心か。最初は細かな色名が出てこなくても、「淡い黄色」「中心が濃い赤」と書けば十分です。

ここで品種を決めてしまわず、色と濃淡を観察として残します。色が濃いから味も必ず重い、と先回りしないこと。次に口に含んだとき、自分の予想と同じだったかを確かめられます。

香りは、ひとつ見つけたら書く

回す前に一度香りを確かめ、次に軽く回して比べます。果実、花、ハーブなど、まずは大きな仲間から探しましょう。「果実は感じるけれど、名前はわからない」も立派な観察です。わからない部分を、知っている単語で埋めなくて構いません。

レモンが浮かんだら、果汁のようか、皮のようかをもう一度確かめます。ただし、似たものを探すうちに最初の印象を見失うこともあります。迷ったら「柑橘に近い。レモンかどうかは自信がない」と、そのまま書いて先へ進みます。

味わいは、感覚を分けて確かめる

少量を口に含み、甘味、酸味、口の中が乾くような渋み、重さ、あとに残る風味を順に見ます。「濃い」という一言だけでは、香りが強かったのか、渋みが強かったのかが後日わかりません。印象に残った感覚を、できるだけ別々に書きます。

たとえば「甘い果実の香りはするが、口の中では甘味は弱く感じる」と書けば、香りの連想と味の観察を分けられます。重さを表すボディも、好き嫌いとは別です。軽やかなワインを好んでも、ボディの評価を高くする必要はありません。

01色調色・濃淡
02香り種類・強さ
03味わい酸味・渋み・重さ
04総合印象・予想・理由
毎回同じ順序で書くと、見落としと記録のばらつきを減らせます。

予想には、理由と自信の程度を添える

観察をひと通り書いたら、品種や産地を予想します。候補をたくさん並べるより、「この候補を選ぶ理由」と「合わない気がする点」をひとつずつ書くと、答え合わせの焦点が定まります。候補が浮かばなければ、予想欄は空けても大丈夫です。

次は、書き方を示すための架空の例です。特定の銘柄や品種の特徴を示すものではありません。

観察: 淡い黄色。柑橘の皮を思わせる香り。甘味は弱く、酸味が印象に残る。口当たりは軽い。
予想: ソーヴィニヨン・ブランを候補にした。ただ、以前飲んだものにあった青い香りは、今回はよくわからない。自信は低い。

この例の価値は、品種の推測が正しいことではなく、手がかりが残っていることにあります。「柑橘の香り」だけで品種は特定できません。自分がどこを重く見て判断したかを、あとで読める形にしておきます。

答えを知っても、最初のメモは消さない

ラベルを確認したら、ワイン名、品種、国、地域、ヴィンテージを、確認できる範囲で記録します。品種がラベルに書かれていない場合は、生産者の情報などを調べ、わからない欄を予想で埋めないようにします。ラベルの写真も添えると、後日の確認に役立ちます。

振り返りでは、まず予想と一致した点をひとつ。その次に、見落とした点や判断を急いだ点をひとつ探します。「正解を見たら、その品種らしい香りがした」と感じても、最初の記録は残しておきましょう。答えを知る前と後で感じ方が変わったことも、練習の材料です。

ワインブラインドノートで色調を記録する画面
ワインブラインドノートの実際の記録画面。画面はデモデータによる表示です。

次の一杯では、ひとつだけ確かめる

最初から全項目を埋めようとすると、飲んでいる時間より入力に気を取られがちです。「今日は酸味を言葉にする」「香りを回す前後で見る」と、毎回ひとつだけ観察の重点を決めても構いません。空欄は失敗ではなく、次に見てみたい場所です。

練習後には、「次は何を確かめるか」を一文で締めます。「次回は軽いと感じた理由を、酸味とボディに分けて書く」なら、次にグラスを持ったときにやることがわかります。正解数だけでは見えなかった変化を、自分の言葉で追えるようになります。

香りの名前に迷うときは、香りを言葉にする記録のコツへ。記録が2つそろったら、2杯を比較する練習に進んでみてください。練習のために飲む量を増やす必要はありません。少量で、飲み切らずに終えてもよいのです。